※この小説はフィクションで、実在の人物・団体類などとは一切関係ございません。ご感想は、 Eメールでどうぞ。

トルネコさんのダイエット


いつもと変わらぬ朝…のはずがエンドールの預かり所では
とんだパニックに陥っていた。
「あなた…。ちょっとふとったんじゃない?」
不意のネネの言葉に、トルネコはぐさっ!
「え?そ、そうは見えないが…。」
トルネコは冷や汗を垂らしながらいった。
「い〜え!絶対太りました。体重計にのって見て、あなた。」
ぎゃ〜…きたぁ。トルネコはしぶしぶパンツ一丁になり、
めをつむりながらそっと…のったつもりがミシミシッ!
「が、ガラスが割れたわ…。あなた、ダイエットよ!!」
「え〜!?ネネ、ホントにやるのかい?」
「あったりまえですよ、あなた。私も協力しますから。」
「…………。」
トルネコはだまっっていた。というより他に返す言葉がなかったからだ。
「よし。あなた、今日からしばらく朝食とおやつ抜きです!」
ヒエ〜…それだけは…おやつだけはご勘弁を…とトルネコは思ったが、
「…わ、わかったよネネ…。」
なぜ自分はそれを否定しなかったのだろう?
ネネがこわいから…?いや違う。自分でもこの腹のことは
つくづく減らさねば、と思っていた。だから多少は素直になれたとでもいえよう。
 
「あなた、早速起きたらすぐランニング!そのあとは腕立て伏せ、そして…」
次の日からすっかりコーチになりきったネネがトルネコを支配する。
一方彼は彼でおとなしくネネのいうことにしたがっていた。
「次は…はあはあ。フッキン…はあ。1・2・3・4…ふう…疲れた。」
そこにはネネがにこにこしながら、
「あなた、シャワーあびていいわよ。その方がやせるんですって。」
なに!シャワーでやせる?!それはいい情報だ。早速…。
…じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃ…
「ふ〜、さっぱりした。ネネ、今日のご飯はなんだい?」
「うふふ。今日はトマトサ・ラ・ダ★」
え…?トマト…?わしはトマトが大嫌いなんじゃ〜!
とトルネコはこころのなかで叫んだ。
それを見透かしたようにネネが、
「そ、これを機会にあなたのダイエットと好き嫌い直ししようと思って。」
せ、せんでいいいいいいいいいいい!
トルネコのBGMはいまや「運命」そのものだったー。
 
一週間後、トルネコに変化が起きた。
…痩せたのではない。慣れないことをして体をこわしたのだ。
「…あなた、もう無理しなくてもいいわ…。」
ネネは半ばあきれたようにいって、部屋を出ていった。
だが彼はからだをこわしただけではなかった。
実を言うと、少しは痩せたのである。そう、少しは…。
だがそのことを知っているのは誰もいない。トルネコの体以外は…ね。


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