色相

 色彩には、明度、彩度、そして色相の3つの要素があるのは知っていますね。その主な分け方として、PCCS、マンセル(JIS)、オストワルトの3つがあります。
 ところで、色彩の三原色はイェロー(Y)マジェンタ(M)シアン(C)からなることは知っての通りで、ブラック(BL)を混ぜて色々と色(しゃれが拙くてごめんなさい)が作られます。
それでは、この3つの色相の分け方を前述した三原色から考察してみましょう。
 ※ここで使われている色は、実際の色とは幾分ずれがあります。


PCCSとオストワルト
マンセル
色相角度

PCCSとオストワルトの色相

 PCCSは色相が24色あり、 はそれぞれ 「08:黄色」「16:緑みの青」「24:赤紫」 に当てはまります。よって、光の三原色である はそれぞれ 「の比が1:1」、 「の比が1:1」、 「の比が1:1」なので、それぞれ 「03:黄みの赤」「12:緑」「19:紫みの青」となります。
 これに対し、オストワルトの色相は、PCCSと同じく24色ですが、分け方が少し違います。
 それぞれの24色相は次の通りです。

番号 PCCS オストワルト 割合 番号 PCCS オストワルト 割合
紫みの赤 Red
(赤)
4 11   13 青みの緑 SeaGreen
(海緑)
8   11
8 11   14 青緑 5   11
黄みの赤 1 1   15 青緑 5   22
赤みの橙 Orange
(橙)
6 5   16 緑みの青 Turquoise
(トルコ石)
    1
18 11   17   5 11
黄みの橙 18 7   18   8 11
赤みの黄 Yellow
(黄)
6 1   19 紫みの青 UltraMarine
(群青)
  1 1
1     20 青紫   20 17
緑みの黄 6   1 21 青みの紫   20 13
10 黄緑 LeafGreen
(葉緑)
9   4 22 Purple
(紫)
  20 9
11 黄みの緑 18   13 23 赤みの紫   4 1
12 1   1 24 赤紫   1  


マンセル(JIS)の色相

 マンセルの色相は、 赤(R)黄(Y)緑(G)青(B)紫(P)の5原色からなり、それぞれの間の 赤黄(RY)黄緑(YG)緑青(GB)青紫(BP)紫赤(PR)を加えて10色相、さらに10等分して100色に分けることもできます。
 また、各色相の5番目は各色相の中心となる色です。
 マンセルの色相を20等分すると次のようになります。
 なお、各色相の番号0は、前の色相の番号10と同じです。


色相 番号 割合 色相 番号 割合
赤(R)   緑青(GB)  
   
10 10   10   10
赤黄(RY) 10   青(B)   10
   
10 10   10   10
黄(Y) 10   青紫(BP)   10
     
10 10   10   10
黄緑(YG) 10   紫(P)   10
   
10 10   10   10
緑(G) 10   紫赤(PR)   10
   
10   10  


PCCSとオストワルト
マンセル
色相角度
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色相角度

 こうして、PCCS、マンセル、オストワルトの各色相の分け方を見てきたわけですが、私は印刷の3原色に基づいて、色相を角度で分けてみたいと思います。
 まず、それぞれ印刷の3原色である純粋な を3等分に分けて、それぞれ 0度120度240度に、次に3原色の補色に当たる色をそれぞれ 60度の補色)、 180度の補色)、 300度の補色)に設定します。
 よって、以上の設定から、次の表のようになります。

範囲表
角度[゜]PCCS割合 角度[゜]PCCS割合
Y>M=C 180 青紫 M=C>Y
0〜60 黄みの橙 Y>M>C 180〜240 C>M>Y
60 赤みの橙 M=Y>C 240 緑みの青 C>M=Y
60〜120 M>Y>C 240〜300 青緑 C>Y>M
120 赤紫 M>Y=C 300 C=Y>M
120〜180 M>C>Y 300〜360 黄緑 Y>C>M

 そして、前述した3つの色相を角度で表すと、次のようになります。

角度 色相角度 色相
PCCS オストワルト マンセル PCCS オストワルト マンセル
5Y 180 青紫 群青 5BP
15 赤みの黄 5/6Y 195 紫みの青 5/6BP
18 10YR 198 10B
30 黄みの橙 6+2/3YR 210 トルコ石 6+2/3B
36 5YR 216 5B
45 2+1/2YR 225 2+1/2B
54 赤みの橙 10R 234 緑みの青 10GB
60 8+1/3R 240 8+1/3GB
72 黄みの赤 5R 252 青緑 海緑 5GB
75 4+1/6R 255 4+1/6GB
90 10RP 270 青緑 10G
105 紫みの赤 5+5/6RP 285 青みの緑 5+5/6G
108 5RP 288 5G
120 赤紫 1+2/3RP 300 葉緑 1+2/3G
126 10P 306 10YG
135 赤紫 7+1/2P 315 黄みの緑 7+1/2YG
144 5P 324 黄緑 5YG
150 3+1/3P 330 3+1/3YG
162 群青 10BP 342 緑みの黄 10Y
165 9+1/6BP 345 9+1/6Y

 色相環の並べ方は、日本やアメリカでは、赤の色相から黄→青→赤の順で、スウェーデンやドイツでは黄色から赤→青→黄の順で、どちらも時計回りに並んでいます。これらに対し、ここで示した色相環は、スウェーデンやドイツのように黄色(0゜)から始まりますが、数学の角度を基準にしたため、時計とは逆の並び方になっています。


色相角度の求め方

 色相角度は次のようにして求められます。

3原色からの求め方(BL:黒は無視する)
3原色の割合から、当てはまる範囲を見る(範囲表)。
3原色の割合が1番大きい色の割合で、2番目に大きい色の割合を割って、60を掛ける(割合角度)。
3原色の割合が1番大きい色の角度(0、120、240)から、1で求めた範囲内で割合角度を加減する。

例:
割合範囲割合角度の求め方角度
40 100 C>M>Y180〜24040÷100×60=24240−24=216
50 80 M>Y>C60〜12050÷80×60=37.5120−37.5=82.5
60 20 40 Y>C>M300〜36040÷60×60=40360−40=320
30 30 50 C>M=Y 240 必要なし240

マンセル色相からの求め方
マンセル色の記号から、当てはまる有彩10色の範囲を見る。
色の記号の数字を10で割って、36を掛ける(割合角度)。
有彩10色の起点角度から割合角度を引く。

マンセル色相の範囲表(大きい角度は起点角度)
色相 角度 色相 角度
赤(R)54〜90 緑青(GB)234〜270
赤黄(RY)18〜54 青(B)198〜234
黄(Y)〜18、342360 青紫(BP)162〜198
黄緑(YG)306〜342 紫(P)126〜162
緑(G)270〜306 紫赤(PR)90〜126

例:
マンセル色相範囲割合角度の求め方角度
5R54〜905÷10×36=1890−18=72
2.5BP162〜1982.5÷10×36=9198−9=189
3G270〜3063÷10×36=10.8306−10.8=295.2
9Y0〜18
342〜360
9÷10×36=32.4360+18−32.4=345.6



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マンセル
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